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麹ラボ
2024.7.25

食べすぎは体に悪い?麹の健康リスクとメリットデメリットを解説

健康食品としてすっかり日本の食卓に定着している麹。美肌効果や腸内環境改善など、高い健康効果だけではなく、麹が持つ発酵パワーで食材のうま味を最大限に引き出してくれる点も魅力的です。

そんな良いところだらけの麹。もうひとつの魅力は何といっても麹料理や麹そのものの美味しさではないでしょうか。健康への効果に甘んじて「ついつい食べ過ぎてしまった」という人も少なくはないでしょう。

今回の記事では、健康効果の高い麹を食べ過ぎてしまうとどうなるか、また、普段使っている塩麹と紅麹の違いも詳しく解説していきます。

麹って何だろう?

麹とは米や豆などの穀物類にコウジカビという菌を繁殖させたもので、日本の発酵食品に欠かせない食材です。麹は、増殖する際に数十種類の酵素を発します。この酵素は食物に含まれるアミノ酸やデンプンなどの栄養素を細かく分解し、新たな栄養素を生成します。

食物にコウジカビを付け、酵素の力であらゆる作用を促す工程を「発酵」といい、この発酵は日本食づくりに欠かせません。というのも、日本食の代表的な調味料である醤油や味噌、外国人にも人気の日本酒などはこの麹の発酵の力で精製されているのです。

麹を食べるメリットは?

日本食に欠かせない存在である麹。では麹を生活に取り入れるとどんなメリットがあるのでしょう?

メリット①腸内環境の改善

米麹や甘酒といった麹由来の発酵食品は健康効果が高いとされています。

麹は酵素のチカラででんぷんを分解し、でんぷんよりも小さな糖のかたまりであるオリゴ糖にします。腸内環境を整える働きを持つ善玉菌のエサとなるオリゴ糖が増え、食物繊維も多く含まれていることから、腸を整える働きをもっているのです。

体内の免疫細胞の6割〜7割は、腸にあると言われており、塩麹を摂取することで善玉菌が増え、腸内環境を整えられるため、整腸作用だけでなく免疫力向上にも効果が期待できます。

麹は、体の内側から健康になりたい人には持ってこいの健康食品なのです。

メリット②疲労回復や美肌が期待できる

麹が持つ酵素は非常に栄養価が高いという特徴があります。ミネラルや数十種類あるとされる酵素など体の機能を健康に保つ栄養素から、疲労回復や美肌効果が期待されるビタミンやアミノ酸なども多く含まれます。

麹に含まれているビタミンB1には糖質をエネルギーに変える働きがあり、疲労物質をためにくい身体になります。さらにビタミンB2とB6には、粘膜・皮膚の健康維持や新しい肌が生まれるターンオーバーを促進させる働きがあり、美肌効果が期待できます。

メリット③風味と香りの向上

食材に麹を用いることで、食材単体では醸し出すことのない、独特の風味や香りを味わうことができます。例えば、麹を用いた調味料の代表である味噌は魚や肉、野菜などを漬け込むことで、食材の隠れたうま味を引き出し、料理のバリエーションを美味しく広げてくれるのです。

この様に麹は「美味しくて体に良い」というメリットがあり、多くの日本人から愛されているのです。

さらに詳しいメリットについては、別記事の「麹の効果やメリットは?健康な体づくりには麹が最適!」で詳しく紹介しています。

麹の食べ過ぎは体に悪い?

2010年頃に巻き起こった塩麹ブームをきっかけに、今では様々な食材と合わせたアレンジレシピや、麹使った商品があらゆるブランドから展開されています。

美味しくて栄養豊富、健康にも良いとなると「たくさん食べても大丈夫!」と思ってしまいがちですよね?

万能健康食の麹ですが、食べ過ぎると以下のようなデメリットを招きます。

デメリット①腸内環境のバランスの崩れ

腸内には乳酸菌など多くの菌が生息しており、これらの菌のバランスを保つことで腸から健康を維持します。特に、悪玉菌を減らし善玉菌を増やすことで腸内環境は正常に保たれるとされています。

麹は穀物類にコウジカビを繁殖させる菌の一種で、その中に乳酸菌も含まれます。乳酸菌自体は腸の活性化に有効ですが過剰摂取は禁物です。

人の腸には数千に及ぶ種類の菌が生息していると言われ、麹の食べ過ぎによって腸内の菌のバランスが崩れ、下痢や便秘、胃痛などの消化器不良を起こす恐れがあります。

また腸の不快感や消化不良を起こし、健康の為に摂取した麹が引き金で体調を崩す恐れがあります。

デメリット②体重増加

麹の食べ過ぎは体重増加や肥満症を招く恐れがあります。

体重は、一日の消費カロリーよりも摂取カロリーが上回ることで増加します。麹は穀物類を原料としているケースが多く、決して低カロリーの食材ではない為、過剰に摂取してしまうとカロリーオーバーによって体重増加を招いてしまいます。

特に「飲む点滴」とも呼ばれる甘酒はその丸みのある甘味や飲みやすさからついつい過剰に摂取してしまいがちなので、一日の摂取量を決める様にしましょう。

体重の増加は肥満症を招き、高血圧や糖尿病など他の生活疾患の呼び水になってしまう為、「ついつい」と手を出さず、体調に合わせて必要量のコントロールを心掛けましょう。

デメリット③アルコールの過剰摂取

米を麹で発酵させて日本酒を作る様に、麹は発酵過程でアルコール成分を生成します。

日本酒は美肌効果もあるとされ、近年では若い女性にも人気がある一方、アルコール度数が高く口当たりの優しいものも多いので、気付かぬうちに相当量の飲酒を招いているケースも少なくありません。

「日本酒は美容に良い」

「日本酒は麹の発酵パワーで健康に効果的」

という言葉だけにもたれかかり、毎日の様に飲んでしまうとアルコールの過剰摂取を招きます。アルコール依存症や肝機能の低下など、もはや麹の効果では改善のしようがない恒常的に不健康な体になってしまう可能性も否めません。

栄養は特定の食材から摂取するのではなく、様々な食材からバランスよく摂取することが肝要です。適量を心掛け、自分の体調と相談しながら、効果的に麹を取り入れましょう。

体に悪い?紅麹の健康リスク

紅麹(べにこうじ)は、最近の研究やニュースでその健康リスクが指摘されています。特に、紅麹に含まれる特定の成分が体に悪影響を及ぼす可能性があることが明らかになっています。

ここでは、紅麹の健康リスクについて詳しく解説し、一般的な麹との違いを説明します。

紅麹とは?

紅麹は、米麹に紅麹菌を繁殖させて作られる発酵食品で、赤色素が豊富で赤い色が特徴です。中国や台湾では古くから親しまれており、天然の着色料や防腐剤として利用されるほか、内臓を温めたり血行を良くする健康効果もあります。

主に酒や乳製品の発酵、薬膳の材料として用いられます。紅麹はデリケートで特定の条件下でしか発酵せず、雑菌に弱いため、家庭ではもちろん工業的にも扱うのが難しいとされています。

紅麹に含まれるモナコリンKは総コレステロールと悪玉コレステロールを下げ、善玉コレステロールには影響を与えず、肝臓のコレステロール生産を整える作用があります。

紅麹の健康被害

紅麹が話題となったニュースでは、小林製薬が紅麹に関連する健康被害について発表しました。紅麹製品を摂取していた患者が腎疾患を発症し、その製品が特定のロットからのものであったことが明らかになりました。

紅麹が体に悪いとされる理由は「シトリニン」というカビ毒の存在です。シトリニンは腎臓にダメージを与える可能性があり、欧州では紅麹由来の健康食品による健康被害が報告され、シトリニン含有量に厳しい基準が設けられています。

すべての紅麹菌にシトリニンが含まれているわけではありませんが、そのリスクは無視できません。
ただし、本件の問題となった製品のロットにはシトリニンは検出されていません。生産工場の衛生環境がカビを発生させたのではとも考察されています。

紅麹と一般的な麹との違い

紅麹と米麹は、全く違う別の種類の菌種で作られています。味わいも栄養価も全く異なり、それぞれに特長があります。

紅麹の主な特長

  • 赤色の着色に使われる
  • 悪玉コレステロールを減らす
  • 抗酸化・抗炎症・抗菌の効果
  • GABA由来のストレス軽減・血圧を下げる効果

米麹の主な特長

  • ビタミンB群やミネラルが豊富
  • 腸内環境の改善
  • 美肌・アンチエイジング効果
  • 料理への活用でより深みのある味わいに

米麹を賢く取り入れて安全で健康的な食習慣をサポート

米麹に使われるコウジ菌は有性生殖をしない「不完全菌」といわれています。そのため、カビのような有害成分を含みません。

安全性が高いことで厚生労働省から「国菌」に認定されています。安全で栄養価が高く、料理のグレードを上げてくれる米麹を賢く使うことで、健康的な食習慣をサポートしてくれます。

麹は取り扱いが初めてで不安な方には、パウダー状の麹がおすすめです。普段の料理へ振りかけるだけで、気軽に麹の味わいを楽しめます。

食べ過ぎ防止のポイントは食べる時間にあり!

麹が健康にもたらす効果を最大化させる為には、食べる量を調節し、食べ過ぎに注意することが大切です。しかし、食べる量を意識的に減らしたり調節できる人ばかりではありません。

「食べることが好きで過剰な我慢をしたくない」

「すぐお腹がすいてしまう」

でも、麹の魅力にハマって抜け出せないという人は、朝食に積極的に取り入れてみるのはどうでしょう?

麹を朝ごはんに取り入れるべき理由①麹と朝食の相性が良い

麹を用いた食品や発酵食品は朝食と非常に相性が良いです。

例えば、納豆やヨーグルトは発酵食品ですし、漬物は麹の力で発酵させています。また日本人の朝ごはんに欠かせないお味噌汁も大豆を発酵させたお味噌を用いています。

農林水産省からも、エネルギー源のブドウ糖を補給し、脳とからだをしっかり目覚めさせるためにも、朝食が大切であると述べられています。

朝食に栄養価の高い麹食品を積極的に取り入れることは脳にも効果的です。脳の動きはブドウ糖をエネルギーにしますが、麹が生成するアミラーゼという酵素は食物のデンプンをブドウ糖に変換する働きを持っています。

朝は体のエネルギーが枯渇しているので、麹の栄養素も効果的に吸収してくれるでしょう。

麹を朝ご飯に取り入れるべき理由②日中の活動で消費する

日本人に必要な1日の摂取カロリーは、女性で2,000〜2,400kcal、男性で2,400〜3,000kcalと農林水産省は推奨しています。

麹の食べ過ぎのデメリットは、栄養過多による体重増加が原因で引き起こす肥満症や高血圧、アルコールの摂取過多がなどが挙げられます。

しかし、朝食は一日の活動のエネルギー源の補給なので、しっかり食べたとしてもその後の活動で十分に消費が可能です。必要な栄養を朝に取り、日中に消費するというサイクルを意識すれば、麹を食べ過ぎてしまう懸念は軽減されるのではないでしょうか。

夕食を軽めにすることで翌日の朝食が楽しみになり、朝食で栄養価の高い美味しい麹食品を楽しむことができれば、栄養面でもカロリー面でも理にかなった食生活が実現します。

まとめ

いかがでしたでしょうか?美味しく栄養豊富な麹も食べ過ぎると、体調を崩してしまいかねないデメリットがあります。

体調と相談しながら適量を意識して、積極的に麹を生活に取り入れてみましょう!

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。