知らないと損!?旨さ引き出す万能調味料「麹」の魅力
日本の代表的な発酵食品「麹」。醤油や味噌といった調味料を作ったり、日本酒の醸造にも使われることで有名です。年々高まる日本人の健康思考にも相まって麹への注目度も増すばかり。近年では、食材のうま味を引き出す麹の特徴を活かした料理やアレンジレシピも数多く出回る様になりました。
しかし、麹を脇役と侮ることなかれ。今回は麹自体を調味料に変身させ、あなたの食卓と健康の主役を担ってもらいましょう。是非最後までお読み下さい。
1.麹の魅力
まずは、なぜ麹が幅広い層から人気を博しているのか、その魅力について説明します。きっと、麹を調味料として使いたくなるはずです!
魅力①美味しい
麹の原材料は米や豆などの穀物です。この穀物類にコウジカビを付着させ発酵させることで麹ができあがります。発酵させる際に100種類を超える酵素を発生させるのですが、中でもアミラーゼという成分が米や豆などの穀物に含まれるデンプンをブドウ糖に変換させ、甘味を引き出します。
アミラーゼなどの酵素で引き出されるブドウ糖の甘味は砂糖よりも奥深く、よりコクのある奥深い味わいを感じます。
醤油や味噌、甘酒といった麹を使った食品には、丸みのある甘さを感じます。まさにその丸みこそが麹ならではの美味しさであり魅力といえるでしょう。
魅力②健康に良い
麹は発酵食品です。発酵食品の代表的な作用は「栄養価の向上」「消化の促進」「腸内環境の改善」の3つです。
1.栄養価の向上
発酵食品は、その発酵過程で多くの酵素の働きによって食材の栄養素を最大限に引き出す特性を持っています。ビタミンやミネラル、アミノ酸といった体の生成や回復に有利とされる成分がふんだんに含まれる麹の栄養価は非常に高いのです。
2.消化の改善
麹には食物の消化を助ける酵素が多く含まれています。これらの酵素は食物の分解を助け、栄養素の吸収をサポートします。また、消化器系の機能向上の一助にもなる為、胃腸の不快感を解消する役割も期待できます。
3.代謝促進
麹の成分には脂肪の蓄積を抑制したり、肌の新陳代謝を促す効果があるとされています。特に必須アミノ酸やビタミンB群などの有効成分も含まれることから、血行促進や肌トラブルの解消など代謝アップによる美容効果にも注目されています。
この様に、麹には「美味しく健康に良い」という人間にとってとっても嬉しい2つもメリットがあるのです。そんな麹を調味料として日常的に気軽に取り入れることができると嬉しいですよね!
2.麹でつくる調味料とは?
高い栄養価を誇る健康食品「麹」。美味しさも兼ねそろえることから、すぐにでも普段の食卓に取り入れたい人も多いでしょう。
では、この記事の本題である麹を用いた調味料を一挙にご紹介しましょう!
定番から、思わず「へぇ~」と唸る変わり種まで。是非お気に入りを見つけて下さいね。
1.【塩麹】抑えておくべき定番麹調味料
麹調味料の代表格「塩麹」。東北地方の伝統料理のひとつである三五八漬けがルーツとされており、元々は塩・米麹・米を2:5:8で配合し、野菜や魚を漬けていたとされています。
現代では米麹と塩と水で作られることが一般的です。
塩麹は肉や魚との相性が良く、酵素の力で食材を柔らかくしっとりとした風合いに仕上げます。味の奥深さも魅力です。塩のしょっぱさがメインではあるものの、麹特有の丸みのある甘さ、そして発酵食品特有の複雑な味わいで、お料理を一段上品に格上げします。
作り方も簡単で、塩と米麹を水を配合し1日1回かき混ぜる、これを10日~14日繰り返し麹が柔らかくなったら自家製塩麹の完成です。
もちろん、塩麹として完成品の調味料も多く販売されています。
2.【醤油麹】食材の味の奥行きを演出
続いては醤油麹を紹介します。
「醤油自体が発酵食品なのでは?」という声が聞こえてきそうですがその通り。発酵食品の麹を用いて麹を熟成させ醤油麹という麹調味料をつくるまさに発酵のダブルパンチです。
醤油麹は醤油と米麹の配合で作ります。熱湯消毒した器に麹と醤油をひたひたになるまで入れ、麹が醤油の水分を吸ったら醤油を足して1日1回かき混ぜる、この工程を繰り返し、麹にとろみがでるまで熟成させれば完成です。
醤油麹の味わいは香ばしく風味が豊かであることが特徴です。
醤油単体の場合は甘辛さやキレが際立ちますが、醤油麹となるとうま味が凝縮され、よりパンチの利いた調味料に変身する為、食欲の落ちる夏場の滋養強壮にも一役買ってくれそうですね!
生野菜や豆腐につけてたべるもよし、煮物や炒め物の調味料に使うのもよしの万能調味料が醤油麹です。
3.【レモン塩麹】アンチエイジング&美容効果にも期待!?
続いて紹介するのはレモン塩麹です。塩麹にレモンの爽やかな味わいが加わり、食材を爽やかかつ上品に仕立てます。
レモンの代表的な栄養素であるビタミンCは勿論のこと、ポリフェノールも多く含まれるため、抗酸化作用(老化防止などの効果)が期待できます。
塩麹とレモンの栄養素を発酵のパワーで最大化させる塩麹レモンは、作り方も簡単です。
- レモンをよく洗い皮も含めてみじん切りにする
- ボウルに米麹と塩を入れてよく混ぜる
- そこにみじん切りにしたレモンを入れ混ぜ合わせラップをして常温で熟成
- 1日1回かき混ぜ、麹が柔らかくなったら完成
レモン塩麹はサラダドレッシングなど前菜に使うこともできますが、美味しく食べれる意外な組み合わせがあります。
その組み合わせとは「ポテトサラダ」です。ポテトサラダに入れる玉ねぎやきゅうりなどの野菜にレモン塩麹を馴染ませ、じゃがいもやマヨネーズと敢えてポテトサラダを作ります。
ねっちりした味わいのポテトサラダに爽やかな酸味と麹ならではの食材の味を引き立てる作用で、ひと味違ったポテトサラダが完成します。是非お試しあれ!
4.【コンソメ麹】素材の旨みMAX!コンソメよりもコンソメ?
次にご紹介する麹調味料は「コンソメ麹」です。スープやポトフ、ジャーマンポテトなど、洋食に欠かせないコンソメは、日本人も大好き。
そもそもコンソメだけでも十分に成立する美味しい調味料で、なおかつ顆粒タイプも充実しておりお手軽に使える為、わざわざ麹調味料に変身させるイメージが沸かない人もいるかもしれません。
しかし、麹と合わせることでコンソメの可能性が更に広がりを見せるのです!
作り方は他の麹調味料と基本的には同じ工程。
野菜の分量は好みに合わせて調整しましょう!
- 玉ねぎ、人参、セロリ、トマト、にんにくをフードプロセッサーでペースト状に
- ペーストに米麹を入れ、更にフードプロセッサーでかき混ぜ
- 塩を加えフードプロセッサーで再度かき混ぜ、容器に移し替え
- 1日1回かきまぜ、夏場は1週間、冬場は10日から2週間をめどに熟成
- 米麹が柔らかくなれば完成
コンソメ麹はコンソメと違ってペースト状なので、お肉に揉み込んで味を凝縮させることも可能。麹の酵素の効果でお肉を柔らかくし、野菜本来の豊かな風味をまとったコンソメの深いコクで食欲がみなぎること間違いないでしょう。
5.【甘麹】自然由来の丸みある甘さでクセになる!
塩、醤油、レモン、コンソメと主張強めの麹調味料を紹介してきましたが、最後はほんのり丸みのある甘い麹調味料を紹介しましょう。その名も「甘麹」です。
米麹と水だけで作れるので材料としてはお手軽ですが、実は温度管理がとっても重要。
常温では作ることができません。
- 米麹とミネラルウォーターを混ぜ合わせる
- 発酵機で60~62度で8時間発酵させる(発酵機投入後1時間半~2時間程度でかきまぜる)
★この際、温度が下がらないように素早く混ぜれば甘さが際立つようになる
発酵機がない場合はホームベーカリーや炊飯器の保温機能で代用が可能です!できあがった甘麹は、忙しい朝の栄養ドリンクとして活用したり、水や豆乳、牛乳などと割って甘酒風にしても良いでしょう。
砂糖とはことなるまろやかな甘味でまったりと癒されること間違いなし!?
※どの麹調味の場合においても熱湯消毒やアルコール消毒などを施した清潔な容器を使いましょう。
3.美味しく健康に良い麹調味料を取り入れよう!
体に良いだけではなく美味しい麹を調味料として使うことで、食材のポテンシャルを最大限引き出せることが伝わりましたでしょうか?
麹調味料は今回紹介した5つ以外にもたくさん!
そんな麹に魅せられたオーナーがプロデュースするとっておきの麹が「Kojiko」の麹。Kojikoでは江戸時代から続く老舗酒蔵 関谷醸造の麹を使っています。
独自製法による麹の粉末化などより生活に身近な麹アイテムを展開。是非、チェックしてみましょう!
最後までお読み頂きありがとうございました。