Kojikoこだわりの麹のルーツは?老舗酒蔵【関谷醸造】の魅力に迫る!
Kojikoが展開する数々の麹アイテム。そのバリエーションや独自技術による粉末化など、製法はもちろんのこと、麹そのものにも格別のこだわりを持っています!
Kojikoの商品を生み出すのは、愛知県の老舗酒蔵 関谷醸造株式会社の麹。
この記事では、世代を越えて愛される関谷醸造の概要や商品ラインナップはもちろんのこと、こだわりや特徴などを一挙にご紹介!
伝統を紡ぐ関谷醸造
関谷醸造の歴史はなんと100年以上に渡ります。創業は1864年(元治元年)。日本は幕末時代で新選組による池田屋事件が起きたのがこの年です。
関谷醸造の始まりは、創業者関谷武左衛門による酒造りがきっかけとされています。江戸時代から紡がれた関谷醸造の歴史は令和まで脈々と受け継がれ、7代続く老舗酒蔵として愛されています。
清らかな湧き水が流れる愛知県設楽町に本店を構える関谷醸造。代表的銘柄「蓬莱泉」「一念不動」をはじめとするこだわり地酒の醸造・販売が主な事業。他にも、グッズやバーのプロデュースなど、新しい日本酒の魅力発信にも力を入れています。
地元愛知の銘酒「蓬莱泉」
関谷醸造の代表的なブランド「蓬莱泉」。愛知県三河地方由来の地酒として、地元愛知だけではなく多くの日本酒フリークに愛される銘酒です。
関谷醸造を切り盛りする7代目関谷健社長が定義する地酒とは「地元三河地方で育てられた酒米を5割以上使うこと」とされています。そのモットーのとおり、蓬莱泉は関谷醸造の工房がある愛知県設楽町で育てられた酒米をふんだんに使った日本酒なのです。
蓬莱泉の「こだわり製法」
日本酒は米と米麹、そして水をアルコール発酵して作られます。
アルコール発酵には糖分が必要なのですが、米には糖分が含まれていない為、麹に含まれる酵素の力で糖化させ発酵させるのです。
関谷醸造の蓬莱泉はこの工程に徹底的にこだわっています。精米から洗米・浸漬、貯蔵・熟成に至るまで、工程が細かく管理されており、精米歩合や温度の徹底にも抜かりがありません。
その中でも筆者が注目するのは蒸米の工程です。
蓬莱泉の蒸米は甑(こしき)を使って行います。甑とは米を蒸す大きなせいろの様な蒸し器です。甑とは言わば大きなせいろ。昔ながらの和釜で米を蒸すイメージです。
蒸米はこの甑の他に、連続蒸米機を用いる方法もあります。連続蒸米機はベルトコンベアの上に米を敷き、蒸気をあてて米を蒸します。均等に蒸気をあて、また連続して効率的に蒸米できることが大きなメリットです。大量の米を蒸米する場合は連続蒸米機が向いています。
対して、甑は連続的な処理ができない為効率は良くありません。しかしながら蒸し具合を細かく調整できる為、より精度の細かい蒸米が完成するのです。
丁寧な蒸米の工程が、蓬莱泉の豊かな味わいを演出しているのではないでしょうか。
日本酒づくりの要「麹室」
日本酒づくりに欠かせない、そして最も神経を尖らせる工程が麹を用いる場面です。蓬莱泉も例外ではありません。甑で蒸した蒸米を日本酒にする為には麹の力が必要です。
この麹を用いる工程は専用の部屋「麹室」で行います。麹室は、温度・湿度を自在にコントロールできる為、米の状態や外気、季節に応じて細かく設定を調整しながら、その時その時に合わせた最も良質な麹米を作ることができるのです。
麹米の作り方は
- 引き込み:蒸米を床とよばれる専用台に置いて適当な温度・水分になるよう手入れ
- 種付け:麹を蒸米にふり、全体にムラが出ないようよく混ぜる
- 盛:24時間で麹が繁殖。その後の手入れがしやすいよう小分けにする
- 仲仕事・仕舞仕事:発酵の際の熱取り、酸素補給の為の手入れ
- 出物:盛から24時間で麹は完成。麹室から出す際の温度にムラがないよう調整する。
という工程になります。
日本酒に欠かせない麹と発酵。この大切な工程を品質の高い麹室で徹底的かつ柔軟に管理することにより、味わい深い日本酒 蓬莱泉が完成するのです。
贅沢に、でも飲みやすく。蓬莱泉シリーズおすすめ3選
原材料、製法にこだわりが詰まった関谷醸造の蓬莱泉。職人のチームワークと創業150年の酒造りで培われた確かな技術が詰まっています。バラエティーに富んだ蓬莱泉シリーズの中でもオススメの5種類をご紹介しましょう。
1.蓬莱泉 純米大吟醸「可(べし)」
蓬莱泉シリーズの定番は「可(べし)」です。名前の由来は江戸時代の漢詩人菅茶山の作品の一文「吾輩紳に書すべし」から取られたそうです。酒好きとして知られた茶山らしく「一杯目は人が酒を飲む」(※三杯目は酒が人を飲む、と続く)という詩から名付けられた「可」。
酸味が少なく、味わいも爽やかなので日本酒ビギナーにとっても飲みやすい日本酒です。
2.蓬莱泉 純米大吟醸 「空(くう)」
蓬莱泉の中でも入手困難と言われる「空(くう)」。日本酒フリークの中では「幻の酒」と呼ばれることも。口当たりの柔らかくフルーティーな味わいなので、女性にとっても飲みやすい日本酒です。
山田錦を磨きに磨いて作られた贅沢な一品。冷やして淡麗さを引き立てると食前酒にぴったりのキレを堪能できます。
3.蓬莱泉 純米大吟醸「美」
「美」の名の通り、上品な味わいの蓬莱泉です。まろやかで丸みのある口当たりである一方、酸味が利いているので後味はキリっと引き締まります。
軽く冷やして魚料理などのさっぱりとした食事に合わせると、料理もお酒も引き立つこと間違いなしでしょう。
お酒づくりが体験できる!ほうらいせん「吟醸工房」
関谷醸造は日本酒の工房を持っています。その名は「ほうらいせん 吟醸工房(以下吟醸工房)」。吟醸工房は、日本酒の魅力を多角的な方面で伝えるべく、平成16年4月に愛知県豊田市にオープンした蔵です。
関谷酒造が100年以上の歴史で紡いだ酒づくりの技術が詰まっており、関谷醸造の社員研修の場にもなるのだとか。また、一般客に対しては酒造り体験やオーダーメイドお酒づくりで自分だけの味わいを楽しむこともできるのです。
吟醸工房で体験できるお酒づくりの工程はごく一部です。実際のお酒づくりは冬の寒い蔵の中で米を洗い、蒸して、麹菌を繁殖させ、時間をかけて熟成する、このひとつひとつの工程の繰り返しなのです。
しかし、関谷醸造の蔵人たちはそんな手間暇かかるお酒造りを「楽しい」と言うそうです。
米と水。そのシンプルかつ最も日本人らしさを感じる原料でつくられる日本酒。その美味しさや奥深い味わいは、洗練された工程だけではなく、気温や湿度など気候の観点や微生物への知見など実に多様な要素によって成り立っているのです。
吟醸工房は日本酒を通じてあらゆる可能性に挑戦する関谷醸造の想いが詰まっています。吟醸工房が設立されて以来、地元の名産品を使ったリキュールの製造や米作りなど、関谷醸造の新たな事業展開の起点となっているのです。
幅広い商品ラインナップ
関谷醸造の蓬莱泉シリーズはネットでも注文可能です。ほうらいせんネットショップでは日本酒だけではなく、リキュールや酒器、化粧品など日本酒から派生した商品ラインナップが揃っています。
中でも日本酒と同じくらい手間暇をかけた酒蔵の麹はオススメです。原材料にこだわった関谷醸造の麹は溶けやすく柔らかな風合いなので、甘酒や塩麹作りにも持ってこいの代物です。
そしてKojikoの麹は関谷酒造のもの。良質な麹の粉末化に成功したKojikoの商品も是非チェックしてみてください。