パン・焼き菓子の商品開発に麹を活用する方法|再現性と量産の視点
新しい商品を開発しても、実際に売上につながるものは限られています。特にパンや焼き菓子の現場では、「味は良いけれど量産しづらい」「製造に組み込みにくい」といった理由で、魅力的な素材が採用されないケースも少なくありません。
ここ数年、健康志向や発酵への関心が高まる中で、ベーカリーや食品メーカーの方から「自然な甘み」や「体にやさしい素材」を取り入れたいという相談が増えています。ただ一方で、
- 製造ラインに組み込める原材料が少ない
- 味や品質の再現性を保つのが難しい
- 大量生産に向いた発酵素材が見つからない
といった課題に直面しているのが現実です。
また個人ベーカリーでも、「既存商品を大きく変えずに差別化したい」「日常価格帯のまま新しい価値を加えたい」といったニーズが高まっています。
私たちが開発した粉末麹「Kojiko」は、粉末原料として配合しやすく、既存の製造工程にも組み込みやすいため、個人店から大手メーカーまで幅広い商品開発に活用されています。実際に、焼き菓子やドーナツ、シフォンケーキといった日常商品から、ロールパンのような量産商品まで導入が進んでいます。
この記事では、パンや焼き菓子の商品開発において麹がどのような価値をもたらすのか、そして再現性や量産の観点からKojikoがどのように活用されているのかをお話しします。
なぜ今、パンや焼き菓子に「麹」が注目されているのか
ここ数年、ベーカリーさんや食品メーカーの方とお話ししていると、「麹を使った商品に興味がある」という声が明らかに増えています。
健康志向や発酵食品への関心が高まっていることもありますが、それ以上に現場で感じるのは、「自然な甘みを出したい」「素材感のある商品を作りたい」というニーズです。
砂糖を減らしたい、添加物を使いすぎたくない。でも、味や満足感は落としたくない。このバランスをどう取るかは、どのベーカリーさんも悩んでいる部分だと思います。
実際、私たちのところにも、
「甘さの角を少し丸くしたい」
「焼き菓子をもう少ししっとりさせたい」
「食後の重さを軽くしたい」
といった、かなり具体的なご相談が多く寄せられています。
特に、シフォンケーキやドーナツなど、日常的に食べてもらう商品では、“強すぎない甘み”や“後味の軽さ”が重要になります。
こうした点で、麹はとても相性の良い素材です。発酵によって生まれるやわらかな甘みは、砂糖とは違い、口に残りにくく、素材の風味を引き立ててくれます。
ただ一方で、「麹は気になるけど、扱いが難しそう」という声も多く聞きます。実際、従来の麹は水分管理や仕込み工程が必要で、忙しい製造現場にはなかなか取り入れにくいのが現実でした。
だからこそ、現場で使いやすい形にしたい。その思いから、粉末麹という形にたどり着きました。
Kojikoがパン・焼き菓子の現場で使われている理由
麹に興味はあっても、実際に現場に取り入れるとなるとハードルを感じる方は多いと思います。これは個人店でも、食品メーカーでも同じです。
これまで多くの方と話してきて感じるのは、「麹そのものの魅力」よりも、「現場で使えるかどうか」が一番のポイントになっているということです。
ここでは、実際にベーカリーやメーカーの現場でKojikoが選ばれている理由をお話しします。
1.粉末だから、既存レシピを大きく変えなくていい
これは一番よく言われることです。麹というと、どうしても
・仕込みが増える
・水分管理が難しい
・工程が変わる
というイメージを持たれがちです。
ですがKojikoは粉末なので、基本的には「他の粉原料と同じ感覚」で使えます。小麦粉や砂糖の一部を置き換える形で試作できるため、今のレシピを大きく崩さずに導入できます。
実際、多くのベーカリーさんが「まずは少量から」「既存商品でテスト」という形でスタートされています。
2.味の再現性が高く、量産にも向いている
個人店はもちろんですが、食品メーカーの担当者の方が特に気にされるのが「再現性」です。
発酵素材は魅力がある一方で、ロットごとのブレが課題になることも少なくありません。Kojikoは原料段階から管理しているため、甘みや風味のブレが出にくく、配合設計がしやすいという声をいただいています。
実際、量産商品への採用につながったケースもあり、開発段階から量産を見据えた検討ができる点は評価されています。
3.“やさしい甘み”で、日常価格帯の商品に使いやすい
高級路線の商品だけでなく、日常的に手に取ってもらう商品に使いやすいことも大きな特徴です。
例えば、
・シフォンケーキ
・ドーナツ
・焼き菓子
・ロールパン
といった商品は、価格と味のバランスが非常に重要です。ここで砂糖を大きく減らすのは難しくても、「甘さの質」を変えることで、同じ価格帯でも満足感が変わります。
実際に、「甘さが重くならない」「後味が軽い」といった評価をいただくことが多く、リピーターにつながったという声もあります。
4.小ロットから試せるから、導入のハードルが低い
いきなり大量に仕入れるのは不安、というのは当然です。特に個人店では、原料を増やすこと自体がリスクになります。
Kojikoは小ロットでの提供が可能なため、
・まずはテスト
・期間限定商品
・季節商品
といった形でも使いやすく、そこから定番商品に育てていくケースもあります。
Kojikoはどんなパン・焼き菓子に向いているのか
「麹がパンにいいのは分かったけど、実際どの商品に使えるのか?」これは、初めて相談いただく方からほぼ必ず聞かれる質問です。
結論から言うと、特定の商品に限定される素材ではありません。ただ、これまでのご相談や導入の流れを見ると、使われやすいジャンルには一定の傾向があります。
ここでは、実際に試作・導入が多い商品を中心にご紹介します。
1.シフォンケーキ・スポンジ系
まず一番多いのが、シフォンケーキやスポンジ生地です。理由はシンプルで、麹の特長であるやわらかな甘み・しっとり感・軽い後味がそのまま活きやすいからです。
特に個人店では、「甘さが強すぎないシフォンを作りたい」 「毎日食べられる軽さを出したい」というニーズが多く、砂糖の一部をKojikoに置き換えることで、自然な甘みの方向に寄せるケースが多く見られます。
食後の重さが軽くなることで、リピーターにつながりやすいという声もよくいただきます。
2.ドーナツ
ドーナツも相性がよいジャンルです。
油を使う商品はどうしても重さが出やすく、「もう少し軽くしたい」という相談が多くあります。麹を少量配合することで、甘さの質が変わり、食べやすさにつながることがあります。
また、冷めてもおいしい、翌日の食感が安定しやすいといった点にメリットを感じて導入されるケースもあります。
3.焼き菓子(フィナンシェ・マドレーヌなど)
日持ちや食感が重要な焼き菓子でも、試作のご相談が増えています。
焼き菓子は味の差別化が難しいジャンルですが、「どこか印象に残る甘み」を出せる点が評価されています。
また、
・素材感を打ち出したブランド
・ナチュラル志向
・発酵や健康をテーマにした商品
との相性もよく、ストーリーづくりにもつながりやすいのが特徴です。
4.ロールパン・食事系パン
企業案件や量産商品では、ロールパンのような日常商品に使われることもあります。
例えば、フジパン株式会社との共同開発では、日常価格帯の商品に採用されました。
こうした商品では、強い個性よりも
・食べ飽きないこと
・クセが出ないこと
・家族全員が食べやすいこと
が重視されます。
麹のやさしい甘みは、この方向性と非常に相性がよく、「なんとなくおいしい」という感覚につながりやすい素材です。
5.「まだ形になっていない商品」も
実は、商品化に至っていない試作品もかなり多くあります。
・季節商品として検討
・ブランドの方向性づくり
・新しい柱を探している段階
こうした段階から相談いただくことも多く、「まずは使ってみる」というスタートが、結果的にヒット商品につながるケースもあります。
まとめ
正直なところ、麹は“特別な素材”というより、パン屋さんやお店の現場で自然に使われるものだと思っています。
Kojikoも、大手メーカーさんから町のパン屋さん、飲食店まで、いろんな現場で使っていただいてきましたが、共通しているのは「難しい理屈より、実際に良いかどうか」で判断されているということです。
焼き菓子やシフォンケーキ、ドーナツなどでは、しっとり感・やさしい甘み・日持ちといった部分で評価いただくことが多く、ロールパンのような定番商品でも活用されています。
麹を使うことで、商品づくりの幅が広がったり、他店との差別化につながるケースも多いです。無理に取り入れる必要はありませんが、「ちょっと試してみたい」という段階でも気軽にご相談いただければと思います。
パンづくりやお店づくりのヒントとして、Kojikoが少しでも役立てばうれしいです。